年末にかけて体調を崩し、ちょうど大晦日あたりは最悪でした。そのせいで、年末年始用の料理は年明け以降にずれ込み、年越しそばはほぼ24時間遅れ。それが縁起の悪いこととは知らず・・・。
年末年始には、伊達巻などおせちの一部や焼豚などを買い込むのが毎年の通例で、それとともにそばも用意します。年越しそばはざるそばや天ぷらそばが一般的ですが、うちの場合はなぜか鴨せいろ。
鶏肉好きだからそうなったのか、理由は不明ながらそれが習慣になりました。
日本を活動拠点とするイギリス人の音楽評論家、ピーター・バラカン氏はフィッシュ・アンド・チップスのタラの揚げ物とそばを一緒に食べると聞いたことがあります。
自分はそこまで変わってはいませんが、鴨せいろを年越しとするケースは他ではあまり聞いたことがありませんね。
作り方は、僕の料理ですからもちろんカンタン。昆布とかつおのだし汁を最初に作り塩、しょう油、みりんで味付けし、鳥モモ肉を投入。丸太のように切った長ネギを煮立っためんつゆに放り込み、火を止めます。
ネギ好きなので、余熱でネギが少し柔らかくなるのを待ち、そして完成!
・・・なんですが、12月29日に知人宅に招かれ、体調があまり良くないのに断れずに参加したためさらに悪化します。翌30日に仕事を何とかこなしましたが、正月向けの準備のためその後外出しさらにさらに悪化。
31日は朝から起き上がれず、予定をキャンセルして寝込みました。
カウントダウンなどで2020年代を盛大に祝うでもなく、1月1日の朝を迎えるのですが、やはりぐったり。買っておいたメイプル・フレンチで朝食を済ませ、再びベッドへ。
年賀状を書かなきゃ、新しい仕事の準備しなきゃ、ブログを書かなきゃ・・・と思いつつまた眠ってしまいます。
気力を振り絞って、冷蔵庫から食材を取り出し鴨せいろの準備に取り掛かります。深大寺そばをゆで上げ、やっと完成。ご近所さんからいただいたゆずが何とも身体に浸み込み、ほっとしました。
この間、何かを食べて栄養を取ろうとしただけで、縁起も運気もまったく考えもしませんでした。
しかし、年越しそばの由来を調べてみると、1)細く長く生きる、2)その年の不運を切り捨て幸運を迎える、3)植物としてのそばのように日を浴びて元気になる、とあります。
このうち、2)の考え方から年明けで迎えた幸運を切り捨てるので、年越しそばを年明けに食べるのは縁起が悪い・・・。
なんと!
とはいえ、今回の鴨せいろは過去最高に美味だったんですよね。家人とは「そば屋さんのよりも断然うまいじゃないの」などと話しながら食べたんですよね。
むしろ、年末にかけて体調を崩した不運をこれで切り捨てたのだ、と考えたんですよね。それでいいんですよね。はあ。
(おわり)