PTコピーライターの食卓

二子玉川在住、個人事業主のテーブルトーク

二子玉川発/老舗でランチ、フォルツァ!街のイタリアン

二子玉川には高島屋やライズでチェーン展開するカフェやレストランに目が奪われがちですが、当然ながら名店もあります。「街の洋食屋さん」のたたずまいを見せるお気に入りの老舗イタリアンは、そんなお店の1つです。

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二子玉川は多くの有名人が居を構える場所がら、名店がひしめき合うイメージがあるかもしれませんが、「ありそうでない」というのが本当のところではないでしょうか。かつてユーミンの好んだカフェもとうの昔に野村証券玉川支店となり、その支店もこの夏に閉鎖されました。名店を挙げろといわれるとかなり困りますが、少ないながら誇りにしたいお店があるのも事実です。

ブログ掲載の可否を聞かなかったので具体的な店名は差し控えますが、その店は二子玉川と用賀の中間ぐらいに位置し、決して行きやすくはありません。僕も住宅街をウォーキング中に偶然に見つけました。店内は広くなく、カウンターとテーブル席がいくつかあるぐらいです。昭和の終盤といった雰囲気で、メニューや説明文は手書きと活字のものがテーブル脇に置いてあります。

梅雨時の週末、嫌みのないやさしい塩気の効いた味が急に懐かしくなり、久々に足を延ばしてみました。まずは冷たいドリンクで落ち着いた後、メニューをパラパラパラ。イタリアンなので、ピザやパスタの種類が豊富。その他にサラダや前菜、さらに肉や魚のメーンディッシュも楽しめます。中途半端な時間だったためそれほど空腹ではなかったのですが、何となくパスタの気分でした。

パスタは自宅でもよく作るので、どの店のメニューを見ても素材や作り方、そして味まであらかじめ分かってしまい、あまりありがたみがありません。が、この店の場合は少し想像を超えたものがいつくかあり、ワクワクワク。メニューの説明文から、どれも美味だろうなとは想像できます。その中から「イカの塩辛風味のペペロンチーノ」を選び、注文しました。

オーダーした後、サービスのコンソメスープが出てきました。スープ皿は少し大きめで、あしらわれた模様からやはり昭和を感じないではいられません。スープは野菜を長時間煮込んだと思われ、ニンジンなどはほとんど溶けかかっています。暑い日に冷たいドリンクの後、アツアツのコンソメスープ。メリハリある取り合わせはここまで満点。やがて訪れる至福の瞬間に備えましょう。

そこへパスタ登場。夏なのにかなりの湯気が立っているのを見ると、相当強い火力で調理されたのでしょう。ペペロンチーノなのでオリーブオイルをベースにしているのかと思っていましたが、先ほどのコンソメスープを少し転用しているようで少し黄色味のかかったスープパスタの様相。ガーリックに鷹の爪、それに「イカの塩辛風味」が加わり、想像と異なった見た目に期待が増幅します。

一口目で快哉(かいさい)を叫びたくなり、その余韻を楽しむ時間を置いて二口目、三口目と食は進んでいきます。そうそう、コンソメスープ同様、こんなやさしい自然の塩味だったな。しかし、一口目に手を付けた瞬間から、完食という確実に訪れる悲劇に向かい始めていました。このまま、いくらでも食べていたいとの望みは叶うわけもなく、そして皿の上は誰もいなくなりました。

(おわり)