ジャガイモの色といえば、やっぱり皮をむいた実の部分の白を思い浮かべますよね?でも、そうではないジャガイモを初めて見ました。「インカのめざめ」がそれです。
イギリスに長期滞在した際、下宿の食事でほぼ毎日ジャガイモが出てきました。日本人が米を主食とするように、イギリス人はジャガイモをそう扱っているのです。
最近の品薄のスーパーでコメやパンなどが売り切れているケースが多いため、以前よりもジャガイモを買う機会が増えました。この日も、特に何かを意識せずに買い帰宅。
数日後、ポテトサラダを作ろうと皮をむいている時、ちょっと驚きました。間違いなくジャガイモなのに、まるでサツマイモのように実が黄色い。
知らずに買った「インカのめざめ」はどこの国のものかと思ったら、なんと北海道産。害虫や疫病に弱い繊細な品種らしく、流通量が少ないため「幻」なんだとか。
日本ではバブル期から交配種として研究が始まります。日本の自然環境で栽培できるよう改良された品種で、2001年に「インカのめざめ」としてデビュー。
ジャガイモの発祥の地である南米ペルーのイメージを守り、なおかつ交配による改良でカスタマイズした新しさを打ち出そうとユニークなネーミングになりました。
特徴としては、実が黄色いほか甘みが強いこと。やはりサツマイモに似た色であるだけに、見た目からしても甘さが想像できます。
急きょ、ポテトサラダからポトフにメニューを変更し、準備にとりかかります。常備する鶏モモ肉と買ったばかりの春キャベツを使い、シンプルに仕上げましょう。
圧力鍋にもなる厚手の鍋にオリーブ油を敷きニンニクを炒め、塩コショウ済みのチキンをソテー。インカのめざめと大量の春キャベツをドサッといきます。
春キャベツはみるみるしんなりして、あっという間に少量に。そこに水、白ワイン、酢、しょう油を素早く投入し、あとは煮込むだけ。
煮えてきたらいったん火を止めます。そうして冷める間に味が具材に浸み込むんですね。点火と余熱、点火と余熱を繰り返し、完成!。
ジャガイモの黄色みが少し増した感じがします。やはり煮込み料理は煮込むほど美味しいですね。余熱をうまく使うのがコツ。
本日の主役であるインカのめざめは、やはり甘い。そしてホックホク。初めて食べたけど、かなりいけますね。色合いのせいか、濃厚な感じ。
ポテトサラダだとマヨネーズに味も風味も消されてしまうので、ポトフにして正解でした。フライドポテトなども本来の味を楽しめるかもしれません。
(おわり)