スーパーマーケットのパンコーナーで販売されているホテルブレッドは、「食パン」なんてもんじゃありません。ここ数年、各社の競争激化によりますます品質が向上しています。
朝のひと時、軽い焦げ目のついた焼き立てのホテルブレッドをみると、ささやかながら自由を手にした気分に浸れます。ストロベリーやブルーベリーのジャムか、はたまたマーマレードか、しからずんばはちみつやメープルシロップか・・・。
ラーメンのトッピングで「全部のせ」という食べ方があるので、それもありかな。朝っぱらから食パンを見てほくそ笑む中高年なんて気持ち悪いけど、自分のせいではありません。
生地を発酵させ、長方形の専用器具で焼いた食品であるのに違いはありませんが、昔給食で出されたような「食パン」ではなく、ホテルブレッドです。明らかに別物です。
ホテルブレッドとは、その名の通りホテルの朝食で出てくるようなパンのことです。卵やバター、ミルクを豊かに練り上げた、ぜいたくなパンです。表面はサクサク、カリカリ、中はフワッというシアワセの食感です。
スーパーで買ってきたものをトースターで2、3分焼いただけで心が豊かになれるなんて、何ともありがたい世の中です。何ともおめでたい自分です。
僕が購入するのは、スーパーのサミットやライフ、いなげやですね。試したことはありませんが、コストコのものはかなり評価が高いようです。各社が重点化している部門で、われわれ消費者は競争激化の恩恵を受けていると思われます。
個人的にはサミットがおススメですね。税抜き248円。杉並区内のある店舗を2016年にリニューアルした時の広告をネット上で発見。それには、フランスパンとホテルブレッドは「スクラッチ製法で焼き上げた」とあります。
パンの製造方法は、大きく分けるとスクラッチ、ベイクオフ、QBDの3タイプあり、スクラッチは生地作りから焼き上げまでの全工程を網羅した街のパン屋さんが採用する製法です。
これまであまり意識していませんでしたが、スーパーの店舗内で製造されているのですね。途中まで作ったものを工場から各店舗に輸送され、それを店舗内で焼いているだけかと思っていました。残念ながら、これでは街のパン屋さんに勝算は見込めないでしょう。
以前は、トースターで焼いたパンにバターを少々乗せ、それが熱で溶けていくのを楽しんでいましたが、バターはパンに練り込まれていると知って、必要がなくなりました。
このホテルブレッドは、賞味期限が過ぎたらフレンチトートストとして第2の人生を歩んでいただいています。元々が美味なので、また違った楽しみもあります。試してみてください。
(おわり)