ごはんの上に生の魚を載せただけーーローリングストーンズのミック・ジャガーはかつて、寿司は料理と呼べないと話したエピソードが残っています。買い物中にそれを急に思い出し、ある「料理」を思いつきました。
東急ストアでいつも感心するのは、刺身関連が充実していること。身の厚さや大きさも申し分なく、関東のスーパーマーケット界ではトップクラスでしょう。二子玉川ライズ店は、併設されるフードショー内の鮮魚専門店「魚力」に勝るとも劣らない品ぞろえです。
今が旬のイサキやメバル、サワラなどのピンク色の身が、誘惑してきます。サーモンやアジ、それに初ガツオもこちらに仕事ぶりをアピール。「しようがない、買ってやるか」と自分を納得させ、刺身の盛り合わせ2パックを購入します。約2000円。
自宅にごはんが残っていることを思い出し、その刺身の盛り合わせを使ってある料理を作ってみよう目論見ます。帰宅後、いったんごはんを温め、うちわでパタパタあおぎながら酢や塩などを合わせ、一口大に握っていく・・・なんてことはしません。
どんぶりに適温のごはんを適量盛り付けます。一方、買ってきた刺身のパックを粗っぽく上下逆さにして、取り出した刺身のツマをザクザク刻みます。次に、刺身の下に敷いてある青じそ数枚を重ね合わせてくるくる巻いた後、やはりザクザク刻みます。
その後、どんぶりのごはんの上に刺身のツマ、刺身たち、青じその順番で載せていきましょう。そしたら完成!いただきます。どうでしょう、この盛り付け。加えてこのカンタンさ。わさびを溶かし込んだしょう油を回しかけ、一気にいきましょう。
おっと、汁物を忘れていました。といっても、保管してあったとろろ昆布をちぎって椀に投入。紙パックの出汁は上方をハサミで切り、中身をパサッパサッ。しょう油、塩を味付けし、熱湯を注いで出来上がり。これまた、なんとカンタンな!
ほとんどインスタントのメニューと言えるでしょう。手を施したのは、刺身のつまと青じそを刻み、刺身とともに盛りつけただけだからです。ミック・ジャガーが指摘していた通り、まさに「ごはんの上に生の魚を載せただけ」。でも、美味ならいいじゃないですか。
(おわり)